* * * * * 捨て犬コロの物語 * * * * *
第1章 コロとの出会い

コロと出会ったのは1991年のゴールデンウィークでした。
何も予定が入らなかった私は渋々と母の実家のある新潟へと両親に連れられていきました。 新潟市内からも離れた小さな田舎町のそのまたはずれ、何もすることがありません。 いとこを連れて海釣りに行くという父について、車で30分ほどの漁港に向かいました。 釣りには全く興味の無い私と母は車の中でお昼寝タイム。 とても暑い日でした。 のどが渇いた私がジュースを買うため車から降りた時、足元に何か気配を感じました。 車の下をのぞいて見ると暑さを避ける為か車の下に入りこんで休んでいる犬がいます。 薄汚れてはいるけれど、ふわふわの毛とクリクリ目の可愛い犬でした。 シェルティーと日本系の雑種を思わせるような雰囲気のその犬は、すでに成犬でした。 漁港脇の橋の下をねぐらにして生活しているようです。 一目で気に入った私は持っていたパンをあげました。 釣り人が集まる漁港で色々と食べさせてもらっているのでしょう、あまり食べません。 でも、嬉しそうに尻尾を振りながらついてきてくれます。 防波堤で釣りをしている父といとこのところにもその犬を連れて行きしばらく遊んでいました。 

漁港近くで
コロと出会った漁港に里帰り(?)した時。
まだワイルドな感じがするかも。





小さいいとこ達が犬のお腹の辺りを見て、男の子である子を確認。 こんな漁港に住んでいるわりには、ころころとしたその犬を、その名の通りコロと名前を付けました。

でも、こんなになついてもらっても、連れて帰るわけにはいきません。我が家は犬禁止のマンション。
年を取った祖母にとっても、今から犬を飼うということはとても厳しいことです。
離れがたくなる為、私はそっと犬から離れました。 コロも漁港にやってくる様々な人に愛敬を振りまいています。  今考えると、コロは人恋しくて、誰かに連れて行ってもらいたくて、必死だったのかもしれません。 でも、一通り挨拶が終わると、人々は離れていってしまいます。 寂しそうにたたずむコロを放っておけず、結局帰る時間ギリギリまで一緒に過ごしました。

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