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雪は相変わらず降り続いている。
足元はびちゃびちゃで、どうやら靴に隙間があるようで、靴下がぬれ始めているのを感じる。
しかし・・・、お腹がいっぱいになると気が大きくなるものだ。
これで帰ってしまうのは、もったいないのではないだろうか。
どのお店に行っても、お店の人は言う。『京都でこんなに雪が降ることはめったにない』と・・・。
めったにないことに出会ったのであれば、これを悪運ではなく、良運と考えれば良い。
雪の京都・・・、雪のお寺・・・、雪の銀閣寺・・・。間違いなく銀閣寺は美しいだろう。
四条通りに出ると、タイミングよく銀閣寺前を通るバスが来た。
ガラガラのバスには、観光客らしき人は皆無。こんな日に行く人はやっぱりいないのか・・・。
銀閣寺前で降りるのも、もちろん私一人。
すでに真っ白になっている哲学の道を横目に、銀閣寺へ向かう。
しかし、いたいた同じ考えの観光客。そして雪の銀閣寺の写真を取ろうと集まっている素人カメラマン。
拝観料を払って入り、墨絵のような景色にうっとりと眺めていると、『ねーちゃん、さっさと動いてよ』という、
なんとも心無い声が聞こえる。声の主は素人カメラマンのオヤジ達。
こっちも拝観料を払って見ているんだからと、憤慨しながらも進んでいくと、なるほどオヤジ達がいる場所からの
景色は素晴らしい。確かに私がボーっとたっていたら、はっきり言って邪魔である。
私もオヤジ達に混ざって、後から後から入ってきてはボーッと立ちすくむ邪魔な観光客達が通り過ぎるの見ながら、
シャッターチャンスを待った。(笑) 雪まみれになりながら、園内をのんびり散策した。
寒いのだけれど、こんな素晴らしい景色、たぶん生涯で一度きりしか出会えないだろう。
そう思うとどんなに凍えようと、見ていたいと思った。それくらい美しい世界だった。
何十年、何百年、何千年と、この風景が守られていくことを、心から祈った。
心が洗われる思いだった。本当に来て良かった・・・。
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